Gibson Acoustic Guitar LG-2 1946′

なんとも素晴らしいギターの入荷です!

1942年から製作されたコンパクトボディモデル。
1946年式は42年と同スペック、そしてその最終年となります。
45年まではヘッドにバナーデカールがあり、
46年にはそのバナーなしの本個体、スクリプトロゴとなります。
翌年からはレギュラーのロゴマークとなることから、スクリプト期は非常に貴重なロゴであります。

1946年-昭和21年ですね。
日本は再起出発の年となりますが、その時代背景やGIBSONというブランドの背景を想像すると…
ますますこの個体が魅力的に感じるのではないでしょうか。
44年にChicago Musical Instruments社がGIBSONを傘下に加え、
エレクトリックギターの製作を画策していきます。
1952年に生まれたレスポールが生まれるまでアコースティックがメインだったGIBSON。
新体制としてもがいていた時期の産物だったことが想像できますね。

今回入荷したLG-2はオーナーのたっぷりの愛情を持ち合わせて入荷しました。
オーナーもビンテージショップで購入したようで
入荷した時のコンディションもなかなか良く、しかも当時純正のケースも付属するという
ファンにはたまらない個体ですね。

弦長は630mm、ナット幅43mmの小ぶりなLG-2。
ハカランダ指板にホンジュラスマホガニーのボディとネック。
プレミアが付くには十分の素晴らしいスペックです。
是非詳しくご覧ください。




こちらが純正のハードケース。
残念ながら取っ手と中蓋は取れてしまっていますが、人気のGibsonスターバッチがちゃんと残っています。
GibsonロゴのGの形状とiの「点」がリィシューとは異なります。

ナット交換、サドルピンも交換。
サドルピンに関しては今は販売されていないGIBSON純正のものとなります。

この堂々たる風格…たまらないですね。
詳しく見ていきましょう。


指板同様ハカランダのブリッジです。
サドルに加工を重ねて弦高を調節しています。
ブリッジの色合いや高さを見ると定かではありませんがブリッジ自体を削って調整している可能性もあります。

では気になるトップを見ていきます。
クラックに見える全体的なラインですがどれもクラックではなくウェザーチェックです。
スプルースの杢にそって入るウェザーチェックがところどころ深いだけで、
肝心の木部には達していません。






味わい深い深みのあるサンバーストが素晴らしいですね。
気になる内部もご紹介します。

ビンテージショップで購入した段階からこの状態だったとお聞きしていますが、
内部のブレイシングの補修を随分前にしたようですね。





接着剤が荒い部分もあるのですがしっかりくっついています。
また、ボディ裏から軽く叩いてブレイシングの浮きを確認するのですが
1か所だけブレイシング浮き特有の鳴りのないポイントがあります。
ですがそれはブレイシングの継ぎ目が途切れているポイントで、
ブレイシング浮きではありませんでした。
これは仕様ですので心配ございません。

では次に浮きの起こりやすいポイントを詳しく見ていきます。







ネック周りからブリッジの全方向、ピックガードを詳しく見ていきます。
接着剤の浮きがあり、もともとのものなのか補修したあとのものなのか
年代を考えると判断はできないのですが、現状いずれの箇所もしっかり留まっています。

もう少し、ウェザーチェックの様子を拡大します。


次に指板です。







ハカランダ指板のキズをところどころリタッチというかおそらくパテなどで埋めた箇所がありますね。
年代を考えると手を入れない方が乾燥や湿度変化の繰り返しで最悪の事態を招きかねないので
ここは一安心といったところでしょうか。

ではヘッドをご紹介します。


バナーなしのスクリプトロゴは貴重な仕様です。
嬉しいことにトラスロッドにも左右余裕がありました。



なんと。オリジナルのオープンバックペグですね。
ここまで来るともう奇跡と言っても良いのではないでしょうか。
ポイントで緩かったりきつかったりするポイントはありますがチューニングに問題ありませんでした。

ネックを見ていきます。



ホンジュラスマホガニーネック。
太目のネックですがナット幅も43mmと弾きやすく弦長も短め630mmですのであまり弾きづらさは感じませんでした。

では1ピースのバックを見ていきましょう。









打痕や擦り傷はありますが致命的なものはなく杢目の細かいホンジュラスマホガニーを味わうことができます。

では労わって細めのゲージで弦を交換していきましょう。


ネック状態も比較的良く、トラスロッドも調整余地があります。
弦高12フレットで2.7-2.2mmとベストコンディション。
弾きやすく、音詰まりも全フレットでありません。
もうこれは当然ですが僅かに元起きがあるのでネックは軽く順反らせてセッティングしています。
フレットも7割程度は残っており、摺合せも必要ありません。

いかがでしたでしょうか。

これは間違いなく「当たり」と言って間違いない個体です。
およそ70年前のギターとは思えないほどブライトで煌びやかなサウンド。
ただ、その明るさは軽いものではなく年代をしっかり感じさせてくれる存在感のある音色です。
間違いなく「弾かれてきた」ギターです。

今後さらに入荷が少なくなるであろうリアルビンテージのサウンドを是非体感して頂ければと思います。
店頭でも立ち合いのもとでしか試奏はお断りさせて頂いておりますので
ご購入時もコンディションが変わらぬようお届けできればと思います。

この記事にてできる限りの説明をさせて頂いておりますがまだまだ至らない部分もあるかもしれません。
他に気になる点があればお電話でもご紹介させて頂いておりますのでお気軽にどうぞ。

こちらの商品はネットモールで購入が可能です。

是非ご検討ください。

メンテナンス / 弦工房 竜
再調整 掲載 / 高橋雅彦

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